1月24日に唐松岳を目指した八方尾根日帰り登山をしたのち、翌日・翌々日のベーシック・セイフティキャンプに参加する為、初日の夜に白馬近郊で1人泊ができる宿を探しました。
yamarico.hatenablog.jp
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で、「車なくても、まあなんとか行けなくもないかな?」ということに気づき、ももさんの記事を見て、小谷村の来馬温泉 風吹荘に泊まってきました。
www.yamaonsen.com
せっかくなので、覚書がてらご紹介したいと思います。
- 来馬温泉 風吹荘とは
- 来馬温泉 風吹荘へのアクセス
- とにかく素晴らしかった夕食。早々に日本酒を頼みましょう
- お部屋の様子
- 館内の様子
- 温泉の様子
- 温泉は加水・加温・循環・消毒一切なし、正真正銘の源泉掛け流し
- 優しさと美味しさに溢れる朝食
- 小谷村の人たちはみんな優しいのではないか疑惑
来馬温泉 風吹荘とは
長野県小谷村にある、山間の小さな温泉宿です。
確認したわけではありませんが、宿泊中に見た限り、恐らくご夫婦でやってらっしゃるのかな?と。
食事が料金からは考えられないほど素晴らしく美味しくて、温泉も内湯のみとはいえ贅沢な源泉掛け流し。
名称 | 来馬温泉 風吹荘(くるまおんせん かざふきそう) |
---|---|
交通アクセス | JR大糸線 北小谷駅より徒歩8~10分くらい 糸魚川ICから車で30分/安曇野IC・長野ICから車で90分 |
駐車場 | あり |
所在地 | 〒399-9601 長野県北安曇郡小谷村北小谷1283-1 |
電話番号 | 0261-85-1144(電話受付時間:14時〜19時) |
予約方法 | 予約・問い合わせとも電話受付のみ |
公式サイト | http://www.valley.ne.jp/~kazafuki/ |
チェックイン | チェックイン:15:00 チェックアウト:10:00 |
定休日 | 火曜日 |
温泉 | 天然温泉/源泉掛け流し/内湯のみ(男女各1) ナトリウム-炭酸水素塩泉(中性低張性高温泉) |
宿泊料金 | 大人(中学生以上)1泊2食付き ¥10,000(消費税・入湯税込) 土曜日は ¥10,500 |
日帰り入浴 | 平日 14:00〜19:00/土日 11:00〜19:00 最終受付18:30 大人 ¥500・子供 ¥300 食事 11:00〜14:00 日帰り入浴&手打ち蕎麦セット ¥1,200 |
お部屋タイプ | 和室8畳+広縁(客室内禁煙/館内に喫煙スペースあり)が6室? |
アメニティ等 | フェイスタオル・バスタオル・歯ブラシ・リンスインシャンプー・ボディソープ・浴衣・T字カミソリ・ドライヤー 等 |
支払方法 | 現金のみ(クレジットカード不可) |
来馬温泉 風吹荘へのアクセス
八方バスターミナルから風吹荘までは、公共交通機関利用の場合、JR大糸線で移動することになります。
八方バスターミナルから白馬駅まで歩いてもいいんですが(徒歩30分)、ザック以外に手持ち荷物もあって面倒なのと、何より雨が降ってきてた(傘など持っていません)ので、スキー場のシャトルバスを利用したい。
現地で見た時刻表、事前にネットで見たのと同じものでした。
バスターミナルにはたくさんのバスが出入りしていますが、小さいのはほぼホテル等の送迎バス。
「アルピコ交通だぞ!」って感じの、白地にピンクとかグリーンとか何色かのライン(?)が入ってるあれ、あれがシャトルバスですのでお間違いなく。
2019-2020 HAKUBA VALLEY シャトルバス路線図・時刻表
https://www.happo-one.jp/wp2019/wp-content/themes/happo-one/img/access/shuttle-bus/2019-2020/HV_shuttlebus.pdf
白馬八方バスターミナルから白馬駅まで移動できるバス、これ以外にももしかしてあったりしないかな?と淡い期待を抱いていましたが、やっぱり現実的に使えるのはこの2本しかないようでした。
バス名 | 時刻表 |
---|---|
こなゆき号 | 16:15 八方BT発 → 16:21 白馬駅着 |
五竜八方栂池号 | 16:35 八方BT発 → 16:43 白馬駅着 |
HAKUBA VALLEY シャトルバスの運賃は、HAKUBA VALLEY の共通リフト券(大人6,100円/1日~)があれば無料ですが、それ以外の人は510円。つまり登山者は510円です。
バスの乗車券は、八方バスターミナル内のタッチパネル券売機で購入します。
ちなみに、平日の白馬駅から風吹荘への移動はこんな感じ。↓
駅から風吹荘までは徒歩10分くらいです。
白馬駅→南小谷駅(JR大糸線 ) | 南小谷駅前→北小谷駅来馬口バス停(村営バス) または 南小谷駅→北小谷駅(JR大糸線) |
---|---|
13:01 白馬発 →13:19 南小谷着 | 13:34 南小谷駅前BS発 → 13:53 来馬口BS着 |
15:55 白馬発 →16:13 南小谷着 | 16:23 南小谷発 → 16:36 北小谷着 |
17:18 白馬発 →17:37 南小谷着 | 17:51 南小谷駅前BS発 → 18:10 来馬口BS着 |
休日はこんな感じ。
小谷村の村営バスは平日のみで、土日祝日はやっていないので電車一択になります。
白馬駅→南小谷駅(JR大糸線 ) | 南小谷駅→北小谷駅(JR大糸線) |
---|---|
13:01 白馬発 →13:19 南小谷着 | 14:43 南小谷発 → 14:57 北小谷着 |
15:55 白馬発 →16:13 南小谷着 | 16:23 南小谷発 → 16:36 北小谷着 |
18:28 白馬発 →18:46 南小谷着 | 19:03 南小谷発 → 19:16 北小谷着 |
一応載せてはみたものの、風吹荘の夕食は18時からなので、19時台到着はアウトかな……。
なお、南小谷駅から北小谷駅に向かうJR大糸線 糸魚川行きは、大雪などで運休になることがあります(代替輸送あり)ので、天候が不安な時は事前に確認しておくのがよさそうです。(この記事書いてる今も大雪で運休中)
八方バスターミナルのコインロッカーに入れてあった荷物を回収し、無事シャトルバスに乗って、数分で白馬駅に到着。
駅の前には、カフェ・食堂・お土産屋さんなどがいくつもあるので、時間をつぶすのには困りません。
ただしコンビニはないので、コンビニ的なものを買いたいときは八方バスターミナル近くのローソンで済ませておくのがおすすめです。
お土産屋さんで職場へのお土産を物色していたら、なんとも言えない表情の雷鳥と目が合いました。
微妙な顔した雷鳥を衝動的に手に入れてしまった pic.twitter.com/iGZH8T9AYk
— rico (@madogoshinorico) 2020年1月24日
買った。
券売機のカード挿入口はオレンジカード専用。Suicaの類は使えません。
白馬駅から南小谷駅までは電車で移動。
風吹荘の最寄りは北小谷駅なのですが、残念ながら全ての電車が2駅手前の南小谷駅止まりです。直行電車はありません。
平日のこの時間、南小谷駅で北小谷方面の電車を待つと、乗換待ち時間が1時間半近くなってしまうので、村営バスを利用しました。
南小谷駅の周りには特に何もないようですが、駅舎が暖かく、待合室がとても綺麗なので、寒い思いをすることはありません。
バスが気になるあまりちゃんと見ていませんでしたが、畳敷きのコタツまであるようです。
写真はない。 ブロガーへの道のりは遠い……。
あとで調べてみたところ、南小谷駅はJR東日本とJR西日本の境界駅なんだそう。北小谷側はJR西日本の非電化区間、らしいです。てことは、「電車」ではないのかな?列車??
鉄道ファンではありませんが、ちょっと乗ってみたくなりました。
雨足はだんだん強くなっていて、「駅から宿まで10分くらい歩くらしいけど、大丈夫かな……」と心配になってきました。
村営バスを待っていると風吹荘さんから電話があり、「今どちらにいらっしゃいますか?」と聞かれ、南小谷駅にいると伝えると「どうやってお越しになりますか?」と。到着時間が夕食の時間を微妙に過ぎそうなことを予約時に伝えていたので、時間の確認かな?と思い、バスで行くことと到着予定時刻をお答えして切電。
そうこうしているうちに、村営バスがやってきました。
村営バスは、(車の車種とかさっぱりわからないので間違っているかもしれませんが)ハイエースみたいな車でした。
外観はバス感がなく、本当にあれで合ってるのか?と不安に思いつつも、「バス停にバス時刻表どおりの時刻に停まった」ので駆け寄ります。
正解。これが村営バスです。
乗れるのは10人くらいでしょうか。乗客は地元の高校生くらいの子が1人乗っているのみ。
運転手さんは、出発時刻までバス停前のお店の人?(あ、お店あったのか……)と窓越しに気安げに喋っています。
バスが発車すると平日の観光客が珍しいのか、降りるバス停の確認をキッカケに、風吹荘に行くことや八方尾根に登ってきたこと、積雪状況や村の人の話など、お話ししました。
北小谷駅来馬口に到着し、バス代200円を払って降りようとすると、すぐ側に車が停まっています。
「雨降ってるし、迎えに来てくれたんじゃない?」という運転手さんの言葉に「え?え??夕食どきで忙しいだろうし、そもそと送迎とかある宿じゃないのでは……?」と混乱していましたが、本当に風吹荘さんのお迎えでした。
なんとありがたいことでしょうか。さっきの電話は「何時にどこに迎えに行けばいいか確認」だったんですね……。
お迎えのおかげで雨に濡れることなく宿に到着すると、ご主人が荷物を持って部屋に案内してくださりつつ、館内の説明がありました。
入ってきた宿の玄関は実は2階で、お部屋は3階。
温泉は1階にあり、清掃時間の朝8時までは いつ入ってもOKだそうです。
お手洗いと洗面所はお部屋のある3階にあって共用。
浴衣は3階の廊下から合うサイズのものを取って使ってください、とのこと。
とにかく素晴らしかった夕食。早々に日本酒を頼みましょう
荷物を部屋に置いたら、とるものもとりあえず夕食会場(2階の食堂)へ。
ご主人から献立の説明がありました。
これは期待が高まる……!
いいですか。
それぞれに、全部、本当に、美味しいです。
大変個人的な蛇足でアレなのですが、わたしかつて銀座の料亭の板前と何年か付き合っておりまして、和食だけはそれなりのお店にも行っていたのですが、これは……美味しい……。
どれもこれも、ちゃんと仕事がされている……。
え、これで1泊2食付きで10,000円とか、値付けバグってません??大丈夫???いや、そりゃあここは東京じゃないから物価のアレがアレなのかもしれませんけども????
ここ、素泊まり6,500円だったよね??この質で2食分が3,500円差とか正気???
わたし、1人で食事をしていて日本酒を飲むことはほとんどない(1合飲めない)のですが、駄目です。この食事には、日本酒が必要です……!
とはいえ日本酒に詳しいわけでは全くないし、そもそも飲みきれないとわかっていて頼むのも心苦しいなぁ……と思い、「1合の値段でかまわないので、半分でお願いできないか」などと風吹荘の奥さんに相談しつつ、小谷錦をいただきました。(「飲める分だけで、残していただいて構いませんから」と1合出してくださいました)
やや辛口、でもほんのり甘さもあり、華やかな香り。
小谷村の棚田でつくられた酒米「白樺錦」を原料にした純米吟醸酒で、毎年1月に出る限定酒だそうです。
この美味しい食事にぴったりだ……これを幸せと言わずして、いったい何を幸せというのか……。
美味しい和食の幸せ増幅装置だと思う。蕎麦はご主人の手打ちだそう。
地元産そば粉で打った二・八蕎麦です。
しっかりとした歯ごたえと香りを感じる手打ち蕎麦です。
つゆは北海道産利尻昆布と本鰹枯れぶしを使用した甘口のつゆです。
http://www.valley.ne.jp/~kazafuki/sub1.html
おそらく人手の都合でしょうが、つめたいものは先にまとめて並んではいるものの、全体的に蕎麦懐石のような感じ。
蒸物・焼物・揚物など、暖かいものは一品ずつできたて熱々で供されます。
白ご飯もお願いすれば出てきますが、後半には御飯物やお蕎麦も出てきてお腹いっぱいになりますので、しばらく様子を見た方がいいのではないでしょうか。
風吹荘さんは山間の宿ですが、料理には、塩の道を通って日本海から直送される海の幸、地元でとれる山の幸が使われているとのこと。
また、これは後から他の宿泊客の方に聞いた話ですが、こちらはあくまでわたしの献立で、他のお客さんには一部異なるものが出されていたそう。
リピーターが多いらしく、そういった方には、例えば蛤の茶碗蒸しの代わりに 生鱈子の炊き物が出されるなど、過去に食べたものとかぶらないよう一人ひとりに合わせた献立になっているようです。
ところで、この日の宿泊客、平日ということもあってか全員1人泊のようでした。
食事の話を伺った方は新潟にお住まいだそうで、仕事は午後半休にして車を走らせてきたとのこと。特にレジャーという訳でもなく、毎月のようにふらりと羽を休めにいらっしゃってるそうで、羨ましい限りです……。新潟、近いんだなぁ。
お部屋の様子
食事が終わって、改めてお部屋へ。
わたしが泊まったのは「紙すき」というお部屋。
1人にはもったいない……と思わず呟いてしまう広めのお部屋。
普段の山旅だと、テントにしろ山小屋にしろ、プライベートスペースは1畳そこそこだからな……。
新しくて綺麗!という訳ではありませんが、きちんと清掃されていて気持ちのいいお部屋です。
ガスヒーターのようなものがありますが、実際にはエアコンを使います。
エアコン設置前の名残でしょうか。
布団は押し入れに入っているので、自分で敷く方式です。
朝は収納せず、そのまま置くよう言われました。
シーツの交換や乾燥、忘れ物チェックなど、仕舞われてしまうとその後逆に手がかかるんでしょうね。
広縁の脇に服入れがあり、タオルやフリース地の半纏、金庫やスタンドミラーが入っています。
人により好みがあると思いますが、個人的にはスタンドミラーがとても嬉しい。
宿によく置いてある座鏡は、風情もあるし鏡面が大きいのはいいんですが、往々にして部屋の隅に置かれているので、メイクするにはちょっと暗くて。
写真には写っていませんが、ポットは魔法瓶タイプのあれです。
湯沸かし機能は付いていませんので、お湯が追加で欲しい場合は、ご主人か奥さんにお願いしましょう。
茶菓子はありません。
館内の様子
先ほどご主人から説明があったとおり、廊下の棚に浴衣がおかれています。
大小2種類。
小は身長165cm以下の人用、大はそれより大きい人用。
男女問わず背の高い人もいれば低い人もいますし、「部屋にとりあえず両方置いておく」よりも、無駄がなくて効率的。
浴衣の置いてある棚の横に洗面所があります。
洗濯機がある……!
1回300円で洗剤付き。乾燥機はなさそうですが、オールウォッシュを小分けにして持ってくれば、山のウェアも洗えるし、余裕で乾きそう。
あとはT字剃刀や、ハンド&フェイスソープ(フォーム)なども。
写真は撮っていませんが、お手洗いも共用で、各階にあります。
男女別、ウォシュレットつき。
パシャパシャ写真を撮って、そろそろ温泉に向かいます。
温泉は1階なので、3階の客室フロアから階段で降りていくと、降りるうちに温泉の香りが漂ってきました。
館内照明はセンサー式なので、「明かりが付いてない?」と思っても、歩いていくと明るくなっていきます。
温泉の様子
女性の宿泊客はわたしともう1人だけ。
その方がちょうど温泉を出たところだったので、安心してカメラを持ち込みました。
脱衣所はこじんまりとしています。
土日の日帰り入浴の時間は混み合うこともあるようですが、その時間を過ぎてしまえば悠々と入れるんじゃないかな?と。
洗面台がありますが、一般家庭サイズ。
ドライヤーはひとつです。髪が長い人は乾かすの頑張る感じの、よくあるタイプ。
うちにある使ってないハホニコのドライヤーを寄贈したい。
わたしは使わなかったけど、椅子があります。年季が入っている。
温泉は加水・加温・循環・消毒一切なし、正真正銘の源泉掛け流し
こじんまりとした浴室。
こちらも「新しくてピカピカ!」というわけではなく、結構歴史を感じさせます。
洗い場は右手に3つと、写真はありませんが左手に2つあって、計5つ。
6室ほど(きちんと数えた訳ではないのですが、食堂のテーブル席数・客室フロアでパッと見た感じから)の宿と考えれば、十分でしょう。
リンスインシャンプー・ボディソープは最低限といったところで、普通です。
金属と硫黄の香りが漂い、滔々と大量の無色透明なお湯が注がれ、浴槽から溢れ出しています。
加水・加温・循環・消毒一切なし、正真正銘の源泉掛け流し。
ナトリウム-炭酸水素塩泉(中性低張性高温泉)。
金気が多い為か、時間が経つと湯の色が変わるようで、床や浴槽は茶色く変色しています。
飲泉はできないとのことですが、口に含むと金気と塩味、炭酸の刺激やほんのり硫黄感があり、浸かっているとあっという間に細かな泡がつきます。ああ炭酸泉。
湯温は、浸かっていられないとは言わないけど、長湯するにはちょっと熱いかなぁという感じでやや熱め。
いや、温泉そんな詳しいわけでもないんですけど、ここはいいお湯なんじゃないでしょうか。
風吹荘源泉・約35度と北小谷源泉・約75度の2本を混合し、48度にして来馬温泉に送ります。
源泉より500Mほどの距離がある為、浴槽には40〜45度となった湯が入ります。
天候・季節・日々・さらには時間により温度変化が生じます。
浴槽の湯は熱めですが、湯のあたりはやわらかく、湯からあがると冬場はすぐに乾き、保温が持続し、肌にさらっと感が残ります。
加温・水増しは一切しておりませんので、シャワー温度以外の温度調整はできませんのでご了承下さい。
お湯について、詳しくは以下をどうぞ。
遅くに着いた割に、夜に2回・朝に1回、計3回も入ってしまった……。
最高……。
優しさと美味しさに溢れる朝食
風吹荘さんの朝食は8時からなのですが、わたしはこの日、ベーシック・セイフティキャンプに参加する為、信濃大町に8:30には着いていなければならないという縛りがありました。
「さすがに朝食は無理だろうから、1泊2食付きの値段でいいから朝抜きにしてもらうしかないかな」と思いながら予約時に「8:30には信濃大町に……」と伝えると、電話口でささっと電車の時間を調べてくださり、「6:55くらいにここを出れば間に合いますよ。朝食は6:00でよろしいでしょうか?」と提案してくださいました。
え……?いいんですか……???
わたしは温泉宿ってそんなに数を泊まった訳でもないんですけど、規定の時間より2時間も早く食事を用意していただけることになったのは初めてです。
なんとありがたいことでしょう。
まだ陽も昇らぬ朝6:00だというのに、なんだこのけしからん朝食は……!
美味しいです。ゆっくりじっくり味わって頂きたい。
普段、朝はコーヒーだけ飲んで家を出るわたしですが、思わずご飯をおかわりしてしまうほど。
いやー、これは「朝食抜きでいいや」と思っていた自分を叱りたい。ぜひ召し上がっていただきたい。
お腹がいっぱいになったら、荷物をまとめてチェックアウト。
慌ただしい滞在になってしまいましたが、心はほくほくと満たされています。
風吹荘さんのご夫婦はお二人とも朴訥なお人柄で、決して「ザ・接客業!」というこなれた感じではないのですが、滞在中の声掛けも「お客様」ではなく名前で呼んでくださるなど、細やかな気遣いが感じられて「いい宿だったなぁ〜!」という気持ちになりました。
これはリピーター多いのも頷ける。
早くもまた泊まりたい。今度はできればもっとゆっくり滞在したいなぁ。
そういえば、館内でカメムシを1匹だけ見かけました。
山間の宿にはままあることなので気になりませんでしたが、見ただけで卒倒する人もいるかもしれないので、一応書いておこう。
小谷村の人たちはみんな優しいのではないか疑惑
宿を後にして、徒歩10分ほどで北小谷駅に到着。
駅の周辺なんもないなぁなどと思いながら駅舎に向かって歩いていると、駅前に停まっていた軽トラックから人が降りてきました。
土曜日なのに仕事なのかな〜? と思っていると、なぜか駅ではなくこちらに歩いてきます。
あれ、昨日の村営バスの運転手さんじゃないですか。
声をかけられ、話を聞くに、つまり
「明日朝早くに大町だって言ってたの聞いて、ちょうど自分もあっちに用あったから、嫌じゃなければ送るよ〜」
との申し出です。
これ、東京だったら完全に事案だよな(山に埋められる可能性)……どうしよう……でもただのついでの親切心かも(優しい村人なだけの可能性)……どうしよう……ここは小谷村であって東京じゃない(田舎はみんないい人という訳でもないだろうけど)……この人は地元民とも仲良くしてるバスの運転手さん(人としての信頼性はあるのでは)……たぶん変な人ではない(たぶん)……どうしよう……わたし自意識過剰なのでは(別に若い女子とかじゃないし)……
数秒の間に、色んな思いが頭の中をぐるぐるぐるぐる錯綜。
結論:乗せていただきました。
「優しい村人」説が当たってた。犯罪者予備軍とかじゃなくてよかった(失礼)
人様に勧めるかと言われると、特に女性の場合は大変お勧めしかねる事象ではありますが、結果として電車使うより1時間くらい早く着いたし、「コンビニ寄ってく?」と聞いてくださったおかげで食料も充実したし、今となってはとても感謝しています。ありがとうございました!
小谷村の人たち、優しい人ばっかりなんでは?
3人しか接してないけど。